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【東京湾横浜港】アジはどこにいるの?どうやって釣るの?アジの生態と釣り方を紹介

東京湾は房総半島西側の洲埼(千葉県館山たてやま市)と三浦半島の剱埼(神奈川県三浦市)を結ぶ線より北の水域で1,380km2あります。
東京湾には、東京港、横浜港、川崎港、横須賀港、千葉港、木更津港の大きな港が6つあります。
今回は、私が居住している横浜エリアを中心にその周辺の川崎エリア横須賀エリアを含め、アジの釣り方を解説しようと思います。

釣り場のルール・マナーを守りましょう。
「この先も長く釣りが楽しめるように」釣り場のルールを守るのは当然として「周りに迷惑にならないように」「お互いが気持ちよく釣りをするために」マナーにも気を付けてください。
公益財団法人日本釣振興会釣りのルール・マナーと安全

アジはどんな魚

アジ(鰺、鯵)は、アジ科アジ亜科 Caranginae に含まれる魚の総称。日本ではその中の一種マアジ Trachurus japonicus を指すことが多いが、他にも多くの種類がある。世界各地の熱帯・温帯域で食用に漁獲されている。

アジ 参照元:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

アジといえばマアジ

マアジ

アジの体形の特長は、体側に「ぜんご」といわれる鋭い突起があります。
この形状や位置によってアジの種類を見分けることができます。
日本ではアジといえばマアジを意味します。
これはマアジが最も漁獲量が高いのが理由です。

学術的な分類

マアジは「スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科マアジ属」に分類されます。

名称

マアジは真鯵、本鯵、クロアジ、キアジ、赤アジなどともいわれます。
学名は「Trachurus japonicus」です。
この学名は綾鱗(りょうりん)を表す「Trachurus」と日本で特有に見られる種を表す「Japonicus」から名付けられています。
アメリカでは「Japanese Jack Mackerel」 (日本のアジ科のサバ)、イギリスでは「Horse Mackerel」(動物のエサにしかならない偽物のサバ)といわれています。「Mackerel」がサバのことです。

マアジの見分け方

スズキ系スズキ目スズキ亜目アジ科の魚は世界に約56属140種、日本近海には約23属56種がいます。
日本で食される有名なアジ科の魚は以下8種類です。
 マアジ(アジ科マアジ属)
 シマアジ(アジ科シマアジ属)
 マルアジ(アジ科ムロアジ属)
 ムロアジ(アジ科ムロアジ属)
 メアジ(アジ科メアジ属)
 ブリ(アジ科ブリ属)
 カンパチ(アジ科ブリ属)
 ヒラマサ(アジ科ブリ属)

  • シマアジは刺身が人気でお店で食べることができる高級魚です。ほとんどが養殖です。
  • メアジは目が大きいのが特長で西日本に分布しています。
  • ムロアジは血合いが多く痛みが早いので干し物にするのがベストです。
  • ブリやカンパチやヒラマサは「ブリ御三家」とも呼ばれ、ブリやカンパチは出世魚です。

アマジに最もよく似たマルアジとの見分け方について説明します。

マルアジ

マアジはクロアジ/キアジといわれるのに対してマルアジはアオアジといわれます。
マアジは体高が高いのが特徴でマルアジは体高が低く体の断面が丸に近い体形です。
アジの「綾鱗(りょうりん)」は「ぜんご」・「ゼイゴ」ともいわれますが、マアジの場合は、曲がり方が急で胸鰭に近い位置にまであるのに対してマルアジは曲がりが緩やかで胸鰭より離れた位置にあります。
もう一つの違いは、マアジには尾の付け根に小離鰭(しょうりき)と呼ばれる小さなヒレがありませんが、マルアジには小離鰭(しょうりき)があります
また、学術的にはマアジはアジ科マアジ属、マルアジはアジ科ムロアジ属です。
マアジの方が味は良いといわれていますが個人差があると思います。

  • マアジ属
    •  ニシマアジ
    •  マアジ
  • ムロアジ属
    •  アカアジ
    •  オアカムロ
    •  クサヤモロ
    •  マルアジ
    •  ムロアジ
    •  モロ

その他のアジでは、メアジはアジ科ムロアジ属、シマアジはアジ科シマアジ属、ギンガメアジやロウニンアジはアジ科ギンガメアジ属です。ヒラマサ、カンパチ、ブリはアジ科ブリ属です。
ブリは出世魚で、関東ではワカシ(ワカナゴ)<イナダ<ワラサ<ブリ、関西ではモジャコ<ワカナ<ツバス<ハマチ<メジロ<ブリと呼びます。

アジの生態

アジには、外洋を回遊する外洋回遊アジと沿岸の岩礁に居つく瀬付きアジがいます。

外洋回遊アジ(クロアジ)

アジは一般的には季節回遊する魚です。
外洋を回遊するアジは、クロアジといわれ、ベイトフィッシュを追いかけて常に外洋を泳ぎ回っていることから身が細身で締まり筋肉質で体色は全体的に黒っぽく脂の乗りは比較的少ないのが特長です。
外洋回遊アジは、成長しながら日本近海まで回遊して九州で対馬海流と黒潮とで二分され日本海側と太平洋側に分かれます。
春から夏にかけて列島沿いに北上、秋から冬にかけて南下するのが回遊性のクロアジです。

瀬付きアジ(金アジ/キアジ)

外洋を回遊するアジとは異なり、エサが豊富な沿岸の岩礁周辺に居つき動物性プランクトンを主食に甲殻類や多毛類やイワシ類の幼魚やキビナゴなどの小魚を捕食し、水温や明るさが快適な場所へと狭い範囲を回遊しているアジです。
丸々太って体高と厚みがあり、体色は金色や黄色で良質なプランクトンや甲殻類を食べて育ち豊富な脂がのっているのが特長です。
食べては濃厚な味が楽しめます。

群れで行動

鯵の群れ

アジは群れで行動します。
同じような個体のアジで群れは構成されています。
時には外敵に襲われるのを警戒して大きく見せるために群れ同士が合流し密集した体形を組みます。
一方、油断している場合は大きく広がりゆったりと泳ぎます。
サイズが小さなアジが釣れているタナでは同サイズのアジが釣れるのが通常です。
同じポイントでもタナを変えると別の群れがいる場合があるため釣れるサイズが変わります。
アジの群れのそばにはサバの群れもいることが多く、サバの群れとは混ざることはなくきちんと層で別れるようです。
イワシの群れとも遭遇しますが外敵に襲われて一時的に重なることはあっても水と油の関係の様にすぐに分かれ距離をとるようです。

産卵時期と場所

東シナ海の、沖縄と中国の中間あたりの大陸棚縁辺域が主産場にしていますが、水温が孵化の適温である18~24℃の場所であれば、全国のほとんどの沿岸で産卵します。
産卵時期は、暖かい九州では3~5月、水温の上昇とともに次第に北上していき、関東や東北地方では5~7月です。
産卵場所は隠れて外敵から身を守ることができる藻場です。

適水温

アジはシーズンによって釣れやすさやサイズが異なります。
またアジの行動パターンは群れごとで異なり時間帯や時期で回遊ルートが変わります。
アジの適水温は17℃~23℃といわれています。
それぞれの季節や1日の時間帯で水温が17℃~23℃の場所にアジが回遊してくる可能性が高いといえます。
生存限界温度は10℃です。この水温を避けて移動します。
次の温度は東京湾の2022年の水深50m付近の平均水温です。

1月~2月

平均水温 14℃から16℃
水温が安定した深場へ移動しています。
東シナ海中部群れの産卵のピークになります。

3月~6月

平均水温 14℃から16℃
成体の外洋アジが湾内出入口付近まで入ってきます。
水温の上昇に伴い、湾奥に徐々に回遊範囲を広げていきます。
関東では5月~7月が産卵期とされ16℃から17℃で活発になります。
産卵期前には栄養を蓄えるために荒食いをすることがあります。
春には抱卵した成魚が釣りあげられることもあります。
卵は20℃の水温であれば40時間で孵化します。
産卵後1ヵ月ほどは摂食がなくなるといわれ食いが渋くなるようです。

7月

平均水温 18℃から20℃
湾奥の浅瀬には豆アジが接岸し姿を見ることができます。
豆アジサイズは生後一年ほどです。
成体はマズメの時間帯だけ湾奥の浅瀬まで入ってくるようになります。

8月~11月

平均水温 20℃から22℃
港湾内や堤防付近などでアジの姿を多く見かけるようになります。
水温の低下とともに回遊範囲が徐々に狭まります。

12月

平均水温 17℃から19℃
水温が安定した深場へ移動します。

孵化した仔魚は体長約25mmです。生後1年で体長10cm~18cm、2年で18cm~25cm、3年で20cm~30cm、5年で35cmくらいになります。
体長40cm以上(ギガアジ、テラアジ)は、5年以上の成魚ということになります。
外洋回遊アジは東シナ海に大規模な産卵場があり、その年、孵化した仔魚が黒潮で日本などのアジア各地に接岸します。
春に北上し秋に南下するという季節回遊のパターンを繰り返します。
成魚が回遊し接岸している時期は堤防など陸から釣ることができます。
沖釣りでは年中釣ることができます。

潮通しの良い場所

アジが主食にする動物性プランクトンやオキアミは、潮の流れで移動します。
潮の流れがある潮通しの良い場所にはエサが集まるので自然とアジも集まります。
もちろん動物性プランクトンやオキアミを捕食するすべての生物が集まります。
それらを好物にしている魚類が集まります。
こういう場所に集まっているアジは捕食目的で集まっている確率が高いので活性が高く釣りやすい状態です。
潮通しの良い場所とは、漁港の入り口、岬の先端、防波堤の先端などで潮の流れが速い場所や水深のある場所です。

昼行性

常夜灯でよく釣れるのでアジは夜行性と思われています。
実は、アジは昼行性です。
特にうす暗いところを好みます。
魚類の瞳孔は常に全開になっており、哺乳類のように虹彩を絞って光量を調節する機能はありません。
アジの行動は適水温やベイト以外に、光の明るさにも影響を受けるため、昼間は居心地のいい深場に逃げ込み、うす暗くなればまた餌の豊富な浅場に回遊してきます。
ゆえに昼間の浅瀬ではアジの姿を見ることはほとんどありません。
たとえ夜間であっても常夜灯などの光が眩しすぎる場所を嫌うので、そういう場所では中層や底層にいることが多いようです。
光を遮るだけの水深がない場所では少し暗い場所に移動します。
また、暗くなるとベイトは視界が悪くなり活発に行動しなくなるため、そのタイミングがアジの捕食時間として好都合となります。
朝マズメ、夕マズメのように薄暗い時間帯がアジにはよく見えてベイトがおとなしいのでハンティングがしやすく活性が高くなります。

ブランドアジ

外洋回遊アジと居つきアジの説明をしましたが、ブランドアジは、各地の沿岸に居つきのアジのことでそれぞれブランド名が付いています。各地のエサ(動物性プランクトンや甲殻類や小魚)、水温、潮などの環境によってその体長や体脂肪率や味などに変化があります。
季節や体長や体重などが異なると呼び名を変える地域もあります。

ブランドアジの例

各地を代表するブランドアジはとにかく美味い

アジの魅力

お手軽

日本各地の海にいます。
日本は島国で周りを海で囲まれています。日本各地の海にアジがいますので海へ行けば割と簡単にアジに出会えるでしょう。
そしてスーパーへ行けば必ず売っているのもアジです。
自力で入手するには釣りが確実です。
防波堤や管理釣り場など足元がよくトイレなど施設の整った場所の近くで初心者や家族で楽しめる釣りの一つがアジ釣りです。いろいろな面でお手軽なのがアジです。

美味しい

アジの種類で説明しますが、アジといっても様々な種類がいます。
日本で一番漁獲高の多いマアジ(真鯵)を一般的にアジと言っています。
なぜこの魚をアジと呼ぶようになったのか?
アジといわれる由来は「味の良い魚」とも言われています。
調理方法はいろいろあります。

刺身

アジの刺身

南蛮漬け

アジの南蛮漬け

フライ

アジフライ

なめろう

なめろう

塩焼き

鯵の塩焼き

その他ひと工夫で色々と美味しく調理できます。
初心者でも美味しい魚がお手軽に釣れるのがアジの魅力です。

アジの釣り方

アジを釣る方法にはエサ釣りとルアー釣りがあります。

エサ釣り

サビキ釣り

トリックサビキ釣り

ウキフカセ釣り

ビシ仕掛け

ルアー釣り(アジング)

ジグヘッドリグ単体(ジグ単)

ジグヘッドリグは通称ジグ単ともよばれもっとも手軽なアジング仕掛けです。

ジグヘッド遠投リグ

ジグヘッドをより遠くに飛ばすためのリグです。
アジがいる場所まで仕掛けを飛ばすための方法が何種類かあります。
バチコンアジング用のジグヘッドとワームを兼用できます。

プラグ

アミパターンや小魚をイメージしたカラーのボディーにトレブルフックが2本ついたルアーです。
フロートタイプやシンキングタイプなど狙ったレンジを攻略するためにそれぞれのタイプを使い分けます。
プラグはメバリングでよく使われますが最近ではアジング用も開発されています。
ドリフトやリトリーブなどのアクションでアジを誘います。
アジの活性が高く浮いている場合に効果があるルアーです。
ルアーの価格が千円以上するのでロスト時にはダメージが大きいです。

メタルジグ

小魚をイメージした金属製の本体にリアフックとフロントフックを取り付けたルアーです。
ジグヘッドに比べて重さがあるので飛距離があって遠投に向いています。
また、沈下速度が速いので手返しがよく広範囲にサーチできるメリットがあります。
フロントフックにシングルフックを使用しリアフックにはトレブルフックを使用します。
トレブルフックによるフッキング率が高いメリットと根掛しやすいデメリットがあります。
デイアジングで広範囲を探索するために使用する事が多いです。
様々なアクションをするためにチューブラーティップのロッドが好まれます。

バチコン

ディープアジングとも言われ、船からのルアー釣りです。
使用するルアーはジグヘッドとソフトワームです。
陸からと違って船でアジのいる場所を探して仕掛けを落とします。
バチコンはチャーター船で集魚灯を使ってナイトゲームが主流ですが、東京湾ではLTアジ乗合船に便乗するデイゲームのスタイルが人気です。

アジが釣れる場所

横浜市には柴と金沢とで2つの漁港があります。
川崎市には漁港はありません。
横須賀市には佐島、長井漁港、秋谷、久留和、北下浦とで5つの漁港があります。
横浜港と川崎港は国際戦略港湾、横須賀港は重要港湾の位置づけです。

これらの漁港での釣りは禁止です。立ち入り自体が禁止されている漁港もあります。
埠頭なども立ち入り禁止や釣り禁止がほとんどです。

これは港湾のテロ対策のための規制だったり、これまでの迷惑行為による影響による規制だったり、そもそもこのエリアの釣り人口が多すぎるのも理由です。

釣り公園や釣りができる場所は令和元年台風15号による大きな被害を受けています
復旧工事が終わったところもありますが、コロナ禍のために釣りが禁止になっていたりルール変更や新たに制限があったりします。
未だに閉鎖している場所もあります。最新情報でアップデートしてからお出かけください。

釣り場

釣り禁止と明確に表示がない場所で暗黙の了解で習慣的に釣りが行われている場所がほとんどです。
しかし、釣り人の増加と様々な周囲への迷惑行為が原因で、釣りができる場所はどんどん減少して釣り禁止になっています。
周囲の看板などに記載の事項は遵守するようにしてください。

釣り禁止でない空間で釣りをするのは自由度が高いように思いますが、東京湾周辺の都心部ではいろいろと制限が多くなります。
東京湾の沿岸部は漁船などの船の往来が頻繁にあり、モノレールなどの交通機関の近くや遊歩道など人が歩いている場所の近くであるため、釣り禁止でなくても投げ釣り禁止、ルアー禁止、コマセ禁止のところがあります。周囲への迷惑行為などマナーについても気配りできないとトラブルの原因になります。

時間制限がない
場所が無料

周囲の影響を受けやすくトラブルが起こりやすい
トイレなどの施設がない
駐車場がない場所がほとんど
釣り具やエサなどのゴミが散乱している場所が多い

釣り施設

東京湾のほとんどの漁港で釣りはできませんが、東京湾には釣り施設が多く設置されています。
釣り施設は釣り専用の施設である場合と釣りができるように時間などの条件付きで開放している施設があります。
柵などが設置されていて安全な場所が多く、トイレなどの必要な施設が充実しているのが特長です。
初心者や家族連れにおススメです。

トイレなどの設備が充実している
駐車場がある
交通の便が良い場所が多い
予約制のところもある

有料の場合あり
時間の制限がある
その他の制約事項が多い

船宿

チャーター船、仕立て船、乗合船で行く船釣りです。
船宿によっては突堤などに渡してくれるサービスをしているところもあります。

トイレがある
交通の便が良い場所が多い
予約制で確実
魚探で魚がいるところに行ける

船酔い
人数や天候で出船できない場合がある
狭い空間のため同乗者次第

自分に合った船宿選びが重要です。