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【ハードクーラーボックス選考】保冷力の高いクーラーボックスを手に入れろ!!容量は25ℓくらい!?

バチコンでの釣りにいく機会が増えると必ずアジを持ち帰れるようになりました。
数が釣れなくても常連さんなどからもらえたりします。
新鮮なアジを新鮮な状態で美味しく頂くには十分に保冷力のあるクーラーボックスが必要であるとわかりました。
それゆえに船釣りでかつオールシーズンに中型の魚を持ち帰ることのできる保冷力あるクーラーボックスを求めています。

目次
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ハードクーラーボックス選考

選考条件

釣り用ハードクーラーボックス

今回はキャンプ用ではなく釣り用のハードクーラーボックスを探しています。
キャンプ用であれば、容量がとにかく大きく、頑丈で、2ℓペットボトルが何本、500ml缶が何本入り、縦向きで入りますとか何人用というのがサイズの指標になると思います。
一方、釣り用のクーラーボックスに求めるのは保冷力と入れることのできる魚のサイズが指標になります。

容量は25ℓ~35ℓくらい

今回のクーラーボックスに入れる魚は、アジ(メガアジ、ギガアジ)、マダイ、タチウオが主で青物、イサキ、ヒラメなどももしかすると可能性ありです。
船釣りで使用することが前提であるため多数の魚をいれることも考え、中型魚がターゲットなので容量は25ℓ~35ℓくらいのクーラーボックスにフォーカスしてみました。

幅は最低40cm以上、理想は50cm以上

容量が25ℓや35ℓのクーラーボックスのサイズはどれくらいなのでしょう?
まず、クーラーボックスのサイズは外寸と内寸で表記されています。
どれくらいの大きさの魚を入れられるのかは内寸で判断します。

25ℓ クーラーボックス内寸22cm × 43cm × 25.5cm (奥行 × 幅 × 高さ)
35ℓクーラーボックス内寸24cm × 55cm × 25cm (奥行 × 幅 × 高さ)

アジ
アジは最大サイズは45cm以上です。
食べておいしいのは中型といわれる25cm~30cmくらいとメガアジ(30cm~40cm未満)くらいまでのサイズです。
釣れる可能性では50cmを超えるのはなかなか難しいです。
45cm以下が入ればサイズの問題はありません。
幅のサイズよりも数が釣れるので深さや容量のほうが問題になります。

真鯛
真鯛は大きいものは80cm以上になるようですが、そう簡単に釣れるわけではありません。
成魚といわれる45cm以上、刺身が美味しい40cm~50cmくらいが狙い目です。
50cm台のサイズが入れば問題はありません。

5年〜7年で成魚なり、全長45〜55cmになって群れの個体数を少なくしてエサの奪い合いを避けるために少ない群れで生活するようになるみたいです!

引用元:東京湾釣りガイド VIBES【マダイの記録や大きさと重さ】

タチウオ
タチウオは1m以上の体長ですのでそれに合わせるととんでもないサイズになります。
曲げていれるのが通常ですのでサイズはそれほど神経質になる必要はありませんが、折り曲げたりするので嵩張ります。
幅はある程度のサイズがあったほうが入れやすいです。折り曲げるので深さが浅いタイプよりは深いタイプがおススメです。

その他
イサキやヒラメやその他青物などのその他の魚の場合を考えてみました。
イサキの成魚の体長は30cm前後、40cm以上あればGoodサイズ。50cm以上は稀です。
ヒラメは80cm以上にもなりますが、このサイズをコンスタントに釣りあげるのは不可能です。
よく釣れるサイズは50cm前後です。
青物は何かの釣りの際に釣れる可能性がありますが、50cm~60cmくらいがよく釣れるサイズだと思います。
大きいものは80cmや1mを超えるので考えるときりがありません。
50cm台のサイズが入れば問題はありません。

25ℓか35ℓか
アジメインのクーラーボックスとして使用するのか真鯛メインのクーラーボックスとして使用するのか?
この選択で必要な容量が変わります。

容量25ℓ
アジメインであれば容量は25ℓのクーラーボックスがおススメです。
25ℓのクーラーボックスの内寸は40cm以上ありますので幅の問題はクリアーします。
アジは数が釣れることが多いので幅のサイズよりは容量が問題になります。
幅より深さのある25ℓ~30ℓのクーラーボックスが余裕があって安心です。

容量35ℓ
真鯛メインであれば容量は35ℓ以上のクーラーボックスがおススメです。
幅は50cm以上あればほとんどの場合が折り曲げたり切断せずに済みます。
アジに比べて真鯛は体高と厚みがあるので数が釣れると嵩張ります。
持ち運びで困らない程度でできるだけ容量の大きなクーラーボックスで深さと奥行きともに余裕があると安心です。

保冷力は1日以上

日帰りの釣りを想定しています。
最近ハマっているバチコンは4時間の釣行です。
往復の時間と片付けの時間を足して6時間です。
マダイになると約8時間釣行です。
往復の時間と片付けの時間を足して10時間です。
タチウオはマダイとほぼ同じ釣行時間なので、トータル10時間です。
徒歩で行ける近くの船宿であればこの時間はほとんどかわりません。
ゆえに保冷力は1日あれば十分だと考えました。

なぜ日帰りの釣りで保冷力を重要視するのか
日帰りの釣りであればそれほど保冷力に神経質にならなくてもいいように思います。
保冷力を補うために氷を多くいれるとします。
氷はどんどん溶けてしまいます。
このとき、氷が溶ける量すなわちスピードはクーラーボックスの保冷力です。
氷が溶けるデメリットは海水魚の場合は浸透圧問題です。
製氷は業務用製氷機でなければ海水氷を作れません。
水産氷と呼ばれているものが漁港や市場などで入手できる場合があります。
一般家庭で作る氷やコンビニなどで売られている氷は溶けると真水です。
真水によって海水濃度が低くなると魚が水を吸い込んでしまいます。
その結果、水っぽい味の魚になってしまいます。
浸透圧問題は鮮度云々ではなく直接味に影響します。
その対策にと、そもそも氷が溶けにくい状態であればクーラーボックス内の海水濃度が薄まりません。
その考えで日帰りの釣りでも保冷力を求めています。

断熱材は発泡ウレタン

熱伝導率は個体>液体>気体の順に高くなります。
熱伝導率が高いと熱が伝わりやすくなります。
熱伝導率(W/mk)を比較すると、たとえば銅403、鉄は83.5、氷は2.2、水は約0.6、空気は0.0241です。
自作PCでCPUの冷却部品に銅が使われるのは熱伝導率が高く熱が伝わりやすいので放熱性に優れているのが理由です。
氷は空気の20倍ほど熱伝導率が高く熱が伝わりやすいことがわかります。
空気はもっとも熱伝導率が低く熱が伝わりにくいので断熱材として優秀です。
しかし、空気は熱伝導率が低い反面、常に移動し冷気が温かい空気に入れ替わる対流を繰り返すためエネルギーの放出を助けてしまいます。
クーラーボックスに使用される断熱材には以下の3種類があります。

真空パネル真空の層で空気と触れないようにすることで断熱を行っています。
赤外線で熱が伝わるため真空でも熱伝導率はゼロにはなりません。
保冷力高い
価格は高め
重い
発泡ウレタン発泡剤に炭酸ガスを注入しウレタン素材で固めたものです。
気泡には発泡剤に使用した炭酸ガスが封じ込められ空気と同じ程度の熱伝導率の低さです。
保冷力は十分
価格は手頃
重くない
発泡スチロール空気を移動しないように気泡を含ませポリスチレン素材で固めたものです。
98%が空気です。
保冷力は普通
価格は安い
軽い

価格と保冷力のバランスを考え断熱材が発泡ウレタンのクーラーボックスに決めました。

中型クーラーボックス以上は水栓が便利

小型クーラーボックスではあまり気になりませんでしたが、クーラーボックス内の氷が溶けると水になります。
この水が多すぎると魚を効率よく冷やすことができませんし、保冷力もよくありません。

氷締め

また、移動では非常に重くなり機動力が落ちます。
船釣りでも納竿の帰航中に水栓から余分な水を抜いて氷だけにして、魚を直接氷に触れないように新聞紙やタオルで仕切りをすれば、すでに魚はキンキンに冷えているのでそのまま家まで保冷力は持つはずです。
残りの氷が少ないのであればロックアイスを船宿やコンビニで追加すれば安心です。
中型以上のクーラーボックスは水抜きのための水栓が付いていないと水を捨てる作業が面倒になります。

ダイワとシマノ

クーラーボックスのメーカーや製品数はたくさんあり過ぎて迷うので、今回は、ダイワとシマノの2社に限定しました。

ダイワ

保冷力を表すKEEP値

KEEPとは、ダイワがJIS規格(JIS S 2048 : 2006)の簡便法に基づいて氷の残存率を算出し残存率が0%になる時間を比例計算した値で保冷力を表しています。

測定条件
 外気温40℃
 氷の大きさはクーラーボックス本体容量の25%
 氷は-20℃で製氷した角氷
 8時間放置したあとの残りの氷の重量を測定(残存率を算出)
残存率が0%になる時間を比例計算(想定値)

参考サイト DAIWAクーラーの新たな指標『KEEP』

3種類の断熱材

真空パネル 熱伝導率(W/mk)0.002〜0.008
発泡ウレタン 熱伝導率(W/mk)0.02〜0.03
発泡スチロール 熱伝導率(W/mk)0.03〜0.04

6種類の断熱構造

品番断熱仕様
ZSS/VSS6面真空パネル + 発泡ウレタン
VS5面真空パネル + 発泡ウレタン
TSS3面真空パネル + 発泡ウレタン
SU1面真空パネル + 発泡ウレタン
GU発泡ウレタン
S発泡スチロール

ダイワの主なクーラーボックス

プロバイザーシリーズ
クールラインシリーズ
トランクシリーズ

この中から選考条件にあうものをピックアップしてみました。

ダイワ プロバイザーHD GU2700

以下の特長があります。
 断熱材はウレタン、上蓋はスチロール。
 座れる、水栓、両開きフタ、ふんばるマン、ショルダーベルト付き
 KEEP 66
 容量 27L
 サイズ(cm) 内寸:25×43×25/外寸:35×57.5×34
 自重 5.7kg
 メーカー希望本体価格 23,400(税抜)

ダイワ プロバイザー・レックス GU2800

以下の特長があります。
 断熱材はウレタン、上蓋はスチロール。
 座れる(マッスルボディ)、水栓、両開きフタ、ふんばるマン
 2段ロックで水漏れをブロック
 KEEP 85
 容量 28L
 サイズ(cm) 内寸:27×42×23.5/外寸:40×57×34
 自重 5.6kg
 メーカー希望本体価格 26,400(税抜)

ダイワ クールラインα/α III GU2500

以下の特長があります。
 断熱材はウレタン、上蓋はスチロール。
 座れる、投入口、水栓、両開きフタ、ふんばるマン、ショルダーベルト付き
 KEEP 61
 容量 25L
 サイズ(cm) 内寸:22×43×25.5/外寸:31×58×33.5
 自重 4.6kg
 メーカー希望本体価格 18,400(税抜)

ダイワ ライトトランクα GU2400

以下の特長があります。
 ロングボディータイプクーラーボックス
 断熱材はウレタン、上蓋はスチロール。
 ダイワクーラー最軽量
 座れる、ワンハンドオープン、両開きフタ
 水栓、ふんばるマン付き
 KEEP 82
 容量 24L
 サイズ(cm) 内寸:22×46.5×22.5/外寸:31.5×60.5×30.5
 自重 4.2kg
 メーカー希望本体価格 18,400(税抜)

カラーは2色
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ダイワ ライトトランクα GU3200

以下の特長があります。
 ロングボディータイプクーラーボックス
 断熱材はウレタン、上蓋はスチロール。
 ダイワクーラー最軽量
 座れる、ワンハンドオープン、両開きフタ
 水栓、ふんばるマン付き
 KEEP 96
 容量 32L
 サイズ(cm) 内寸:22×56.5×24.5/外寸:31.5×69×34
 自重 5kg
 メーカー希望本体価格 22,300(税抜)

カラーは2色
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ダイワ タフトランク GU4300

以下の特長があります。
 堅牢×頑丈!タフボディ
 断熱材はウレタン、蓋はスチロール。
 大径キャスターとサイドハンドル付き
 KEEP値100
 容量 43L
 サイズ(cm) 内寸:23×56.5×31.5/外寸:34×73.5×41
 自重 9kg
 メーカー希望本体価格 未定(税抜)

ダイワ クールラインα SU2500GF

以下の特長があります。
 ソルトルアー専用クーラーボックス
 真空パネル1面+ウレタン、蓋はスチロール。
 カスタマイズパーツ付き
 KEEP値不明
 容量 25L
 サイズ(cm) 内寸:22×43×25.5/外寸:31×58×34
 自重 5kg
 メーカー希望本体価格 33,200(税抜)

カラーは2色
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シマノ

I-CE値は以下の条件での氷が溶けきるまでにかかる時間を算出した値です。

測定条件1(最大氷保持時間)
 外気温30℃ 9時間~20℃ 15時間の氷の重量を測定
 氷の量はクーラーボックス本体容量の40%
 氷が溶けきるまでの時間を算出(想定値)

測定条件2(I-CE値)
 外気温31℃
 氷の量はクーラーボックス本体容量の20%
 8時間ごとに氷の残量を計測
24時間後まで計測、24時間後以降は想定値

※氷の量が本体容量比40%という記載と20%という記載があり調べたところI-CE値というと測定条件2のほうらいしです。

シマノテクノロジー

5種類のグレード

シマノは5種類のグレードで断熱構造は8種類ほどあるようです。
同じグレードでもシリーズや容量が異なると断熱構造が異なる場合があるので注意が必要です。

グレード
ウルトラプレミアム発泡ウレタン+6面極厚真空パネル
プレミアム発泡ウレタン+6面真空パネル
発泡ウレタン+5面真空パネル
リミテッド発泡ウレタン+3面一体型真空パネル
発泡ウレタン+1面一体型真空パネル(9ℓ以下)
ベイシス発泡ウレタン
発泡ポリスチレン+1面底真空パネル
ライト発泡ポリスチレン

シマノの主なクーラーボックス

フィクセスシリーズ
スペーザシリーズ
フリーガシリーズ

フィクセル ベイシス 22L NF-322V

以下の特長があります。
 ラックトップレバー、堅牢ボディ、ワンアクション水栓、抗菌、座れる
 投入口、ハンドル、滑り止めゴム、両面開き、トレー
 断熱材は発泡ウレタン
 I-CE値 45
 容量 22L
 サイズ(mm) 内寸:391×211×250/外寸:530×300×332
 自重 4.2kg
 メーカー希望本体価格 24,000(税抜)

カラーは2色
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シマノ スペーザ ベイシス 250 NS-325U

以下の特長があります。
 ラックトップレバー、堅牢ボディ、ワンアクション水栓、抗菌、座れる
 投入口、ハンドル、滑り止めゴム、両面開き、セーフティロック
 断熱材は発泡ウレタン
 I-CE値 45
 容量 25L
 サイズ(mm) 内寸:492×212×230/外寸:657×305×320
 自重 5.5kg
 メーカー希望本体価格 26,000(税抜)

カラーは2色、キャスターあり/なし
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シマノ フリーガ ベイシス 26L UZ-026N

以下の特長があります。
 ハンドル、両面開き、ショルダーベルト、取り外し可能フタ
 断熱材は発泡ポリスチレン+1面底真空パネル
 I-CE値 40
 容量 26L
 サイズ(mm) 内寸:406×231×265/外寸:530×306×330
 自重 3.4kg
 メーカー希望本体価格 17,500(税抜)

35ℓ以上になるとキャスター付きがおススメです。

ダイワ プロバイザートランクHD II 3500

プロバイザートランクHD II ZSS3500(6面真空パネル KEEP127)

6面真空パネル KEEP127
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プロバイザートランクHD II GU3500(ウレタン KEEP95)

カラーは2色、断熱材はウレタン
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シマノ スペーザ プレミアム 350 キャスター NS-B35U(発泡ポリスチレン+6面一体型真空パネル I-CE65)

シマノ スペーザ ベイシス 350 キャスター NS-D35U(発泡ポリスチレン+1面底真空パネル I-CE50)

シマノ スペーザ ライト 350 キャスター NS-E35U(発泡ポリスチレン I-CE45)

保冷力とは

クーラーボックスの能力を表すのに保冷力があります。
各メーカの測定条件から、クーラーボックス内の氷がどれくらいの時間で溶けてしまうのかを計算で割りだした数値です。
つまり、ダイワのKEEP値やシマノのI-CE値の保冷力とは、保冷時間です。

表記は保冷時間であって保冷温度ではない点に注意が必要です。

容量が大きなクーラーボックスが保冷時間が長い?

より体積の大きな氷を使えば保冷時間(氷が残る時間)が延びます。
ダイワのKEEP値、シマノのI-CE値の測定方法にフォーカスしてみててください。
シマノは氷の形状や製氷方法を公開していないので不明ですが、ダイワは-20℃で製氷した角氷(ブロックアイス)です。
ダイワは容量比25%の角氷(ブロックアイス)、シマノは20%の氷です。
(※シマノはクーラーボックスによっては40%と記載あり)
どちらの測定方法もクーラーボックスの容量が大きくなるほど体積の大きな氷を入れることになりますので保冷時間が長くなり保冷力を表す数値が高くなるのは当然です。
これは同じシリーズの製品間で保冷力の数値を見れば一目瞭然です。
しかし、KEEP値やI-CE値をみてこのクーラーボックは○○時間は氷が溶けないと安易に考えると失敗します。
これらの数値は保冷力を見る目安です。
実使用になれば海水の入れる量や魚などの冷やす対象物が増えますので氷が早く溶けて無くなります。
クーラーボックスの容量が大きくなるほど保冷力の測定値は良い結果ですが、実運用との差は大きくなるのではないかと思います。

クーラーボックスは保冷箱

クーラーボックスはボックス内の温度を一定に保つことができるように「気密性」と「断熱性」に優れた箱です。
気密性は空気の流れを止めてボックス内の温度を保つことで、断熱性はボックス内の温度が外気温に影響されないようにさえぎることです。
クーラーボックスの密封性や断熱性が重要になります。
同じ容量の他の製品でクーラーボックスのKEEP値やI-CE値を比較した結果が密封性や断熱性の違いと考えられます。
クーラーボックスだけでは冷やすことができません。
魚や飲み物や食べ物を冷やすためには氷や保冷剤を必要な量だけ使用します。

保冷温度は何で冷やすか?で決まる

クーラーボックス内の温度を下げるために氷や保冷剤があります。
何を使用するかで保冷温度が変わり、どれくらいの量を使用するかで保冷時間が変わります。
一瞬で冷やし込みたい場合は、表面積を多くなるようブロックアイスを砕いてクラッシュアイスにすることで実現できます。


氷は水を0℃以下に凍らせたもので液体から個体に変化しています。
一般家庭の冷凍庫は-20℃まで冷やせるので-20℃の氷を製氷できます。
マグロ用冷凍庫は-60以下まで冷やせるので-60℃の氷を製氷できます。
氷の温度が低いほど氷は長持ちします。
氷が溶けて水になる融点は0℃ですので、氷が溶けだすと氷の表面は0℃になっています。
水温が上がるエネルギーは氷を溶かすエネルギーに使われるため氷が残っている限りは表面温度は0℃をキープします。
表面温度が0℃の場合、ボックス内の空気は5℃くらいになると思います。
塩をいれるだけ融点を下げることができますが、塩が溶けることができる濃度では融点は-20℃くらいまで下がります。
これが凝固点降下という現象で海水氷を家庭用の冷凍庫で製氷できない理由です。

保冷剤
保冷剤の中の液体は氷と同じ水が主成分です。
保冷剤の容量と同じ体積の氷と能力は変わりません。(0℃タイプ保冷剤)
保冷剤は水をゲル状にすることで凍った状態を長く保つことができます。
また、水と高分子ポリマーに添加剤を加え氷点を-15°C前後にすることで、融点を-15℃前後にすることが可能です。
これが氷点下タイプ保冷剤です。業務用では氷点を-5℃前後にしている製品もあります。
氷点下タイプ保冷剤を凍らせるには氷点以下に冷凍庫の温度を設定します。

融点がキープしたい温度、ボックス内温度は熱交換率などでそれより+5℃前後高くなる。
以下は、16ℓのクーラーボックスに氷1kgもしくは保冷剤容量1000mlを使用した場合のおおよその結果です。

ブロックアイス冷却能力は普通、保冷持続時間はそこそこ長いのが特長です。
即効性はありませんが持続力があります。
-20℃で製氷する家庭用より低い温度で製氷した氷の方が長持ちします。
最小温度は5℃、平均温度は8℃、冷蔵温度10℃到達は30時間くらい。
クラッシュアイス冷却能力は普通、保冷持続時間はそこそこ長いのが特長です。
即効性はありませんが持続力があります。
-20℃で製氷する家庭用より低い温度で製氷した氷の方が長持ちします。
最小温度は5℃、平均温度は8℃、冷蔵温度10℃到達は30時間くらい。
氷点下タイプ保冷剤冷却能力は高く、保冷時間が短いのが特長です。
即効性が必要な場合に向いています。
最小温度は-10℃、平均温度は-3℃、冷蔵温度10℃到達は20時間くらい。
冷凍庫の冷却温度を-20℃または-18℃以下に設定しないと保冷剤が凍結しません。
再凍結時間が長時間必要です。
-5℃タイプ保冷剤冷却能力と保冷時間のバランスに優れているのが特長です。
日帰りの釣りではこのタイプがおススメです。
最小温度は-3℃、平均温度は3℃、冷蔵温度10℃到達は30時間くらい。
0℃タイプ保冷剤冷却能力は低く、保冷持続時間は長いのが特長です。
即効性はありませんが持続力があります。
最小温度は-4℃、平均温度は5℃、冷蔵温度10℃到達は28時間くらい。
冷凍庫の冷却温度は-10℃前後でも凍結するので汎用性があります。
再凍結時間が短いのがメリットです。
ペットボトル氷冷却能力は低く、保冷時間に優れているのが特長です。
持続時間が長いのは冷却ができていない可能性があります。
最小温度は4℃、平均温度は8℃、冷蔵温度10℃到達は40時間くらい。

保冷時間はクーラーボックス内をどれくらいの時間保冷できるのか?
保冷能力はクーラーボックス内の温度を何度でキープできるのか?

冷蔵の適正温度と冷凍の適正温度

冷蔵の適正温度は2℃~5℃、微生物の繁殖は遅延するので腐敗を抑止できます。10℃を超え温度が上昇すると活発になるので腐敗が進むスピードも速くなります。
冷凍の適正温度は-18℃です。この温度以下になると微生物の活動が停止します。
冷凍品が溶けるのは0℃なので0℃を超えないのがマストです。

持続性と急速性はトレードオフの関係

氷の表面積が大きいと急速性がありますが持続性がありません。
一方、体積が大きくなると持続性が高くなります。
1ℓ分のブロックアイス1枚と500mlのブロックアイス2枚では、特性が異なる結果になります。
前者は保冷時間を重視、後者は急速冷却を重視している場合の使い分けの例です。
ブロックアイスとクラッシュアイスを比べるとよくわかります。
それぞれメリットデメリットがありますが、使用する媒体の量を増やすことで持続時間が長く延びます。
クーラーボックスの1/3~1/2くらいの氷または保冷剤を使用できるとベストです。
熱伝導率は氷を例にすると氷締のように水に浸すと水の熱伝導率は空気に比べ高いため速く低温になるのに対して、水を入れずにクーラーボックス内を冷やそうとすると空気の熱伝導率が低いためになかなか冷えません。しかし氷は水に浸したほうが早く溶けてしまい水に触れない場合は長く残ります。
早くよく冷えるとすぐに氷はなくなり、逆に氷がなくなりにくい状態は冷却温度が高めで冷えていない可能性があります。ペットボトル氷が良い例です。
冷却温度をそのままに持続時間を長くするには氷の量を増やせば良いだけです。保冷剤の場合も同じです。

はじめは氷をクーラーボックスに一杯いれていても時間の経過で溶けるので水抜きさえできればボックス内のスペースが増やせますが、保冷剤やペットボトル氷は入れ過ぎると時間の経過で減らないので魚を入れるスペースが確保できなくなる点に注意が必要です。

クーラーボックスが汚れないように釣った魚をビニール袋にいれて氷だけのクーラーボックスへ入れる。
空気の熱伝導率が低いため魚が冷える前に腐敗が進む可能性が高くなります。
どうしてもビニール袋にいれるなら氷や保冷剤だけでなく海水をいれると冷えやすくなります。

保冷温度や保冷時間の調整にはブロックアイスやクラッシュアイスを状況に合わせて上手く使うのがおススメです。

氷締め

氷締めは海水温度が重要

案外盲点なのがクーラーボックスに入れる海水の温度です。
ほとんどの方が乗合船が汲み上げる海水をクーラーボックスに入れていると思いますが、夏場の海水温度は27℃にもなります。
これをクーラーボックスに入れて冷やそうとするとかなりの量の氷が溶けてしまうことでしょう。
逆に言えば、この時に氷が溶けないような工夫ができれば氷の残存時間が延びることになります。
身近にあると当たり前ですが、そうでないと知らないのが漁港や市場(水産)にある清浄海水です。
ICチップなどで購入するため関係者しか利用できない場合が多いですが、卸業者や仲卸業者を介すれば入手可能な場合もあります。
私が住んでる近くにある南部市場水産棟付近に活魚海水という装置があって海水を汲み上げ殺菌など必要な処理をした海水がICチップで購入できるようになっています。
こういう海水が利用できればベストですが実際に汲みに行くことを考えると非常に面倒なのは事実です。

  • 南部市場内には上州屋ができたようなので車移動であればついでに便利です。
  • 電車移動でもシーサイドライン(南部市場駅)すぐなので便利なのですがシーサイドラインは運賃が高いのでおススメできません。
  • ICカード型敬老パスで利用できるのでお持ちの方には良いと思います。

氷締めにするのであれば塩分濃度が2%~3%程度の冷えた塩水を自作するのがよいと思います。
とにかくクーラーボックスに入れる水が冷えていれば氷や保冷剤が無駄に溶けることはありません。

適切な氷の量

外気温や保冷時間で量を調整すればよいのですが、クーラーボックスの容量比1/3~1/2が適量だと思います。
25ℓ~35ℓのクーラーボックスであれば1/3で10K前後になってしまいます。
そんなクーラーボックスを持つのが大変そうですが、それだけの氷を準備するのも大変です。
氷は毎回使い捨て、釣行のたびに船宿で入手するかコンビニで購入するか自宅で製氷する必要があります。
氷は船宿で無料でもらえる分を使うと考えても足りません。

ストッカー

十分な量の氷を準備したい場合、自宅で製氷するには冷凍庫のスペースを占有してしまいます。
保冷剤を使用する場合でも保冷剤を何個も凍らせるためのスペースを占有してしまいます。
釣りをしていると釣った魚を保存するのにも冷凍庫を占有しています。
そんな時は、別途、冷凍庫を購入すると幸せになれそうです。

おススメの保冷剤

氷以外の便利な保冷剤の紹介です。

ロゴス(LOGOS) 保冷剤 倍速凍結・氷点下パックXL

以下の特長があります。
 融点:氷点下
 再凍結時間が約18~24時間
 マイナス温度帯の持続時間が16%UP
 冷凍庫内をマイナス20℃以下に設定すること
 総重量 1.2kg (16リットルクーラーボックスで1個)
 サイズ 縦25.5×横19.5×厚さ3.5cm
 材料 [容器]ポリエチレン[内容物]植物性天然高分子
 価格 1,880(税込)

保冷時間をより長く持続させるには一般の保冷剤との併用がおススメです。
凍らせたくない場合は直接触れないように新聞紙やタオルなどで覆って使用します。

ASTAGE(アステージ) I.BEAM クールインパック ハード 1000G CPH1000

以下の特長があります。
 融点:0℃
 内容量 1000g
 サイズ:幅(mm):200x高さ(mm):265x奥行(mm):30
 価格 オープン価格

関東冷熱工業 業務用保冷剤 メカクール -5℃ 1000g KRMC-05011

以下の特長があります。
 4~5℃の温度差で凍結
 融点:-5℃
 キャップ オレンジ色
 凍結温度:-15℃
 保冷空間温度(目安):-1℃
 内容量 1,000g
 重量 1,170g
 サイズ:約W180×D32×H290mm
 価格 1,600(税込)

ライトトランクα GU3200かGU2400かで迷っています。
ライトトランクαにすれば、ロングサイズなので中型魚がそのまま入れることができます。
また断熱材がウレタンであれば氷または保冷剤の量を調整すればかなりの時間、保冷力を持続することができます。
そして価格が割安なのでライトトランクα GUに決定しました。
今日は近くの店舗に実物を見に行きました。
2400か?それとも3200か?
大は小を兼ねるというけども3200はアジ用には大きすぎます。
アジにはライトクールバック 20Lでうまくやって、真鯛やらタチウオで3200を使うのか?
キャリカートで持っていくにはやっぱりでかいよ3200。
これを担いで船に乗れるのか?
動画でみると丁度良いサイズ感です。
ライトトランクα GU3200にしようと決まりかけていました。
しかし、ライトトランクαは軽いのがメリットだけども耐久性がよくないという口コミもちらほら
座れるとあるけど座れないとか・・・
蓋を固定するフックの材質がもろくてすぐに破損するとか・・・
加工跡とか凹みがみられるとか・・・
確かに上蓋を押さえると座るには少し弱そうです。
プロバイザートランクHD2の方は頑丈です。
クーラーボックスは長く使うものだからお値段高いけども頑丈な方が良さそうです。
プロバイザートランクHD2 GU3500にほぼ決定です。
いつ買うかは未定です。

考察

クーラーボックス(プロバイザートランクHD2 GU3500)に保冷剤の組み合わせを考えてみました。

所有している保冷剤は以下の通りです。
 ロゴス(LOGOS) 保冷剤 倍速凍結・氷点下パックM
サイズは13.8cm × 19.6cm × 2.6cm
 ロゴス(LOGOS) 保冷剤 倍速凍結・氷点下パックXL
サイズは19.5cm × 25.5cm × 3.5cm
 関東冷熱工業 業務用保冷剤 メカクール -5℃ 1000g KRMC-05011
サイズは18cm × 29cm × 3.2cm

クーラーボックスのサイズ(内寸)は24cm × 55cm × 25cmです。

倍速凍結・氷点下パックXLなら2枚並べて(19.5cm × 51cm × 3.5cm)丁度入ります。
メカクール 1000gだと18cm × 58cm × 3.2cmまたは36cm × 29cm × 3.2cmで2枚並べるのは不可能です。
シマノのスペーザシリーズ 350ならメカクール 1000gでも並べて入りそうですが発泡ウレタンのクーラーボックスがないので除外しました。
メカクールは1枚または2枚重ねまたは両サイドに1枚ずつでの使用になります。
両サイドに置く場合は左右面はサイズがはみ出すので前後面もしくは上下面になります。
底面に倍速凍結・氷点下パックXLを2枚並べるだけで35ℓクラスなら保冷力は足りるはずですが、調整用にメカクールを前後面にそれぞれ1枚ずつまたは上面に1枚あれば十分です。

氷が安定ですが、メカクールがあれば氷の代わりを十分担えると予測しています。
水を抜いた後に魚もしくは保冷剤を包み込む新聞紙かタオルを用意しておけばバッチリです。
実際に試したいので早くクーラーボックスを入手してからまた報告したいと思います。

JIS S 2048:2006 携帯用クーラーボックス 6.4 保冷試験とは

容量35ℓ以下のプラスチック製携帯用クーラーボックスはJISで規定されています。
JISは日本工業規格です。
「6.4 保冷試験とは」で規定されている保冷試験の方法が、以下になります。

  1. クーラーボックス内に氷水を80%以上注入し15分間冷やす
  2. クーラーボックス内に1~4℃の水を80%に調整して注入する
  3. 蓋を固定して温度(T1)を測定する
  4. 40±2 ℃に調整された恒温槽の中に入れて8時間後の温度(T2)を測定する
  5. T2-T1を求める
  6. 2回繰り返し平均値を求める

6.4 保冷試験の簡便法が以下になります。

2. 保冷試験 保冷試験は,次による。 a) 測定器具 測定器具は,次に適合するものを用いる。 1) 恒温槽 空気かくはん装置付きで,温度を40±2 ℃に調節できるもの。 2) はかり はかりは,最小単位10 g まで測定できるもの。 b) 氷 試験に用いる氷は,クーラーボックスに投入するのに適切な大きさの角氷とする。 c) 操作 操作は,次による。 1) クーラーボックスの本体容量を,本体の6.2 によって測定する。 2) 本体容量の約25 %に相当する氷の質量(M1)を測定し,クーラーボックスに入れてふたをする。 なお,氷の質量測定は,温度23±5 ℃の室内で行う。 3) あらかじめ40±2 ℃に調節された恒温槽の中にクーラーボックスを入れる。 4) 8 時間後にクーラーボックスを取り出して,氷の質量(M2)を測定し,氷の残存率を求める。氷の残存率(R)は,次の式を用いて算出する。 R = M2 / M1 × 100 (%) 5) 操作は,2 回繰り返して,その平均値を求める。

引用元:https://kikakurui.com/「附属書(参考) 簡便法による保冷試験方法 」

ダイワはこの方法でKEEP値を計測しているようです。
シマノの計測方法は独自といえるでしょう。

JIS S 3105-1993 携帯用保冷具

繰り返し使用できる携帯用保冷具についての規定です。
この規定の「2.4 保冷性」で保冷時間と保冷熱量について記載があります。
測定方法は「4.4 保冷性試験 」で規定されています。

ショアからのアジング用クーラーボックスは別の記事にします。

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この記事を書いた人

大阪府門真市に生まれ、高校卒業まで京都府福知山市で育ち、大学は工学部電子工学科を卒業。半導体設計会社に勤務ののちインフラエンジニアとして監視基盤の運用設計業務に就く。現在は都内の施設に勤務。横浜在住。人の役に立てることができればいいなと日々思っています。

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