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ルアー重量と錘負荷の適合範囲の解釈は【オーバーウェイトでロッドは折れるのか?動画あり】

ロッドを購入する時にカタログなどに記載されているルアー重量や錘負荷の適合範囲について、どういう解釈が良いのか考えてみました。

目次
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ルアー重量と錘負荷

重さの単位

釣りで使用される重さの単位は様々です。
国内で販売されている製品にはグラム、号数、オンスなどで表記されています。
何種類かの単位で表記されている理由は、そのアイテムの歴史が関係しています。
日本で従来使用されているものは日本の重さの単位で表記されます。
外国から入ってきたものはその国の重さの単位で表記されます。
たとえば、バスのルアーフィッシングはアメリカからやってきました。
アメリカで重さはポンドやオンス(ヤード・ポンド法)で表記されます。
日本国内で重さは昔からの尺貫法または廃止後の号数が使用されることがまだありますが、日本は国際単位系(SI)を採用している国なので重さの単位はキログラム・グラムを日常で使用するようになっています。
国際単位系は一貫性のある単位で変換の煩わしさを解消することができ、10進法が採用されているのでわかりやすいです。
日本で進化してきた磯釣りや船釣りや陸からの釣りではオモリの重量は日本従来の号数が使われ、アメリカから入ってきたルアーフィッシングのルアー重量はオンスが使用されます。
オンスはアメリカのローカルな単位単位であるので、わかりやすく国際単位系にしているのがルアー重量がグラムである理由です。

スペック表記で使用されている重さの単位は、これまでの習慣的な事情により主に号とグラムとが使い分けられています。

ルアー重量

ルアー重量は、仕掛けにルアーを使用するロッドで見られます。
そのロッドの使用ルアーの適合範囲を示しているのがルアー重量です。
ルアー重量の単位はグラム【g】またはオンス【oz】が使用されます。
ルアーロッドはルアーを魚がいる場所までキャストするロッドですので、飛距離が重要です。
表示のルアー重量の範囲内であれば十分に性能が出せますという意味です。
キャストする場合は、ロッドの反発力が活かされて飛距離が出ますという範囲です。
ロッドアクションでルアー操作がしやすい重さもこのルアー重量の数値でわかります。
軽すぎるルアーは飛距離がでませんし、ルアーがどの状態なのかロッドを伝ってわかりません。
ルアー重量(Lure Weight)のほか、キャストウェイト(Cast Weight)、JIG Wt.(Jig Weight)などとも表示されることがあります。

錘負荷

錘負荷は、仕掛けにオモリを使用するロッドで見られます。
そのロッドを使用する際にもっとも適しているオモリの重さです。
錘負荷の単位は号またはオンス【oz】です。
仕掛けをキャストできるロッドとただ垂直方向へ仕掛けを落とすだけのロッドがあります。
ショア用は魚がいるところまで仕掛けを投げないといけないのでキャスト用がほとんどです。
オフショア用は魚が集まっているところに船で移動し仕掛けを落とすだけの場合が多いのでキャストができないロッドもあります。
磯竿に比べて船竿の錘負荷は割と範囲が広く設定されています。
この錘負荷の数値である程度ロッドの硬さがわかります。
重すぎると竿が曲がり切ってしまってアクションがしにくい、アタリがわかりにくい、などが起こります。
魚が掛かった際の巻き上げ時のロッドの力の吸収の幅が少なくなっているのでバラシやすく、ロッドを立てるなどよくない動作をすると折れやすくもあります。
逆に軽すぎるとボトム着底がわからないなどが起こります。

適合範囲を超えると折れるのか?

適合範囲を超えると折れるのか?
ロッドは、キャストするロッドとただ下へ仕掛けを落とすだけのロッドの両タイプがあります。
先ほどキャストウェイトの説明でも言いましたが、キャストする場合は投げ方が悪いと折れやすくなります。
適合範囲外になると扱いにくくなるためキャストもしにくくなります。
キャストがしにくい上に投げるのが上手でないとロッドは折れやすいです。
垂直に上げ下げするだけのロッドでキャストすると折れやすいです。
重さよりロッドの取り扱いが悪いと折れます。
製造したロッドには個体差が存在しますので、ある範囲を保証するには必ずマージンをとります。
そのマージンの取り方はメーカーによっても異なりますし、製品によっても異なります。
範囲外だから必ず折れるというものでもありませんし、範囲内だから絶対に折れないというものでもありません。

ロッドが一番性能が出せるルアーの重さがルアー重量、一番性能が出せるオモリの重さが錘負荷です。
ということです。この数値が、ロッドの硬さの目安にもなります。
キャストが得意でない方がルアーをオーバーキャストする場合は、ルアー重量の半分くらいの重さまでを目安にすると投げやすいと思います。

ルアー重量と錘負荷の関係

キャストするショアのルアーロッドを船用に使用する場合を考えてみます。
ここでは例として、
ダイワ 月下美人 AJING 78ML-Sをバチコンアジング用に使用できるのか?
を考えてみることにしました。

東京湾LTアジ乗合船に便乗してのバチコンアジングの場合、船宿指定のオモリは号数で指定されます。
例えば10号~20号です。
キャストロッドの場合、ルアー重量(ルアー重量:単位グラム)で表記されています。
ダイワ 月下美人 AJING 78ML-Sであれば2g~15gです。
ルアー重量の数値を単純に号数に変換すると、0.53号~4号です。
号数だけ見ると宿屋指定に全く及びません。
それでは、キャストロッドの場合は本当に4号までのオモリしか使えないのでしょうか?

比較として、ダイワ 月下美人 MX AJING BOAT 64L-Sを使用します。

ロッド全長ルアー重量ロッドパワー
ダイワ 月下美人 AJING 78ML-S2.342 ~ 15gML
ダイワ 月下美人 MX AJING BOAT 64L-S1.9310 ~ 40gL
スペック比較

これら2本のロッドにオモリを何種類かつけて穂先の曲がり具合を比べてみました。

  1. ENGINE Studio 100タングステン ドロップショットシンカー カバーリング 1/2oz 約14g
  2. ENGINE Studio 100タングステン ドロップショットシンカー カバーリング 1oz 約28g
  3. Fish Arrow フリリグシンカー タングステン 1.25oz (約35g)
  4. Fish Arrow フリリグシンカー タングステン 1.5oz (約42g)
  5. Fish Arrow フリリグシンカー タングステン 2oz (約56g)
  6. issei 海太郎 ヌケガケロケット 15号 56g
  7. issei 海太郎 ヌケガケロケット 21号 78g
  8. issei 海太郎 ヌケガケロケット 25号 93g

使用したシンカー紹介

その様子を動画にしてみました。

月下美人 AJING 78ML-S ルアー重量 2g~15g

40g超えたくらいで穂先にずっしりと重さを感じます。
ロッドが長いためか、50g以上は重さにそれほど違和感を感じませんでした。
70gを超えるとロッド操作を慎重にしないといけないと感じる重さでした。

月下美人 MX AJING BOAT 64L-S ルアー重量 10g~40g

50gを超えたあたりで、穂先にオモリがずっしりと乗っかってベリーとバットでほどよく支えている感じです。
78gではベリーとバットで支えてなんとかなっている重さに感じました。
93gはブランクス全体で耐え、オモリの重さで何もできない感じでした。

95gまで対応しているイカメタルロッドで試した結果で内容を書き換えています。

月下美人 AJING 78ML-Sは、2倍の28gくらいまでは全く問題ない印象です。3倍の42gくらいでも振り切った感はありませんでした。
月下美人 MX AING BOAT 64L-Sは、56gくらいまでの使用なら全く問題なさそうでした。
どちらも78gになると、自由にロッドを操作できる余裕はありませんでした。
64L-Sはロッドの長さのためか、78g以上になると急に重く感じました。
全体的にどちらのロッドも似たようなロッドの曲がり方だったと思います。
月下美人 AJING 78ML-Sと月下美人 MX AING BOAT 64L-Sは実は似たような設定なのかもしれないと思える結果でした。
チャーター船やボートアジングでは十分使用できるロッドだとは思いますが、東京湾のLTアジ乗合船に便乗してのバチコンアジングでは、すべてのコンディションで使用できるとはいえず不安があるロッドです。
イカメタルロッドは穂先がこれらのロッド以上に柔らかいので穂先がすごく曲がりますが、93gでもロッドの弾力を感じる点は他の2本とは異なりました。

所感

限界のオモリの重さは?

バーチカルな釣りでのルアーロッドの限界のオモリの重さはどれくらいなのでしょうか?

カタログ記載のルアー重量の3倍強が重さの限界なのではないでしょうか。
ということであれば、1号は3.75gなので単純にグラム単位を号数単位に変えるだけでよいのでは?
ルアー重量が15gまでの場合、バーチカルなら15号までと解釈してもよさそうです。
ただし、軽快さを考慮すると2.5倍~3倍くらいのオモリまでかなと感じました。
号数だと10号~12号程度だと思います。

月下美人 MX AING BOAT 64L-Sは1.5倍までが快適で2倍の重さが限界の様に思います。
仕掛けを沈めて、アクションさせて、巻き上げて、この時、魚が掛かっていれば魚が暴れたりしますが、海水の中にいる間はそれほど重さには影響ないように思いますし、ラインの強度やドラグなど全体的なバランスを調整していればロッドが折れることはまず発生しません。あるとするなら海水から出た瞬間の抜き上げ時、重力を感じそれと同時に魚も暴れ、さらに船に引き上げたあとのロッドへ与える力の強さや方向によると思います。合わせるときのシャクリ方が悪いとロッドを傷めそうではあります。
魚がアジであれば、平均サイズなら100g前後くらい、メガアジサイズで400g〜600gくらい、ギガアジサイズで600g~1kgくらい?テラアジは1kg超えると思います。
これくらいの重さの魚を釣り上げることを想定しているロッドであれば、50gくらいのオーバーは魚の個体差による重さの差と考えることもできるように思います。
ギアアジ、テラアジと呼ばれるサイズが掛かったら水面からの抜き上げは網を使うなりすればロッドの負担を回避できます。
ドラグ性能の良いリールを使って適切に設定できて、最悪はハリスで切れるのならロッドが破損することもないはずです。
ワースト条件が重ならなければオモリが重すぎてロッドを傷めることはないと思われます。
それよりもロッドにあっていない重さのオモリを使用するデメリットは、アクションがしにくくなったり、目感度やアタリ感度がわかりにくくなったりといった具合に、釣果に直接に影響を及ぼすことだと思います。

ダイワのロッドの場合、例えば万能ロッドのデッキアクターでキャストとバーチカルにも対応している63MLS-Sでみると、製品ページの説明ではキャストのルアー20gに対してバーチカルのティップランでは3倍の60g、ジグは4倍の80gの重さが記載されています。垂直方向に上げ下げするだけなら4倍の重さでも可能であると読み取れ、テストで実際にオモリを付けてみた結果とほぼ一致します。ティップランはジギングのように巻きシャクリしてジャークさせエギを鋭くダートアクションすることでイカを誘います。イカに抱く間を与えるのはフォールではなくステイである点は、バチコンアジングと似ています。
激しくジャークさせるのでティップにはそれなりの負荷がかかっていると思います。そのため、ティップランでは3倍の60gどまりなのでしょう。

ロッドが折れるのはこんな時
 経年劣化でロッドに傷がある
衝撃を与えてダメージがある
地面に乱暴に置く
 ラインがティップに巻き付いた状態でキャストする
 ラインを巻きすぎてガイドに仕掛けを勢いよく巻き込む
 根掛り時にロッドをあおりすぎる
 ラインの結び目がガイドに引っかかる状態での使用
 転倒したときに竿を強打する
 ランディング時に竿を立てる
 ロッドの継ぎ目の差し込み加減が悪い

一番最初に購入したルアーロッドは、初日に折ってしまいました。
その時、メインラインとリーダーラインの結び目がガイドを通る際に引っかかりがあり、手にもその感触がありました。
その状態で根掛時にロッドをあおり過ぎてトップガイドから5cmほどのところで折れました。

使用オモリの重さよりも、ロッドの取り扱いに注意していれば簡単には折れません。

竿を立てると簡単に折れる!!それでは、竿を立てるとは?
村田さんの動画で説明されているので参考にしてください。

ガイドの位置と個数

ルアーロッドを船のような垂直方向の釣りに使用する場合、注意が必要なのはオモリの重さだけではなくガイドの位置と個数も重要です。
ガイドは、ラインのブレを抑え飛距離を伸ばす、ロッドの曲がりにラインを追随させロッドの性能を発揮する2つの大きな役割があります。
このためにガイドの位置、個数、ガイドの大きさなどが綿密に練られています。
ルアーロッドはキャストするためどちらかというと水平方向の釣りになります。飛距離を伸ばすためガイドは大きめで個数は少なめになっているロッドが多いです。
一方、垂直方向の釣りをする船竿は、真下からの強い力が穂先に一点に集中するのを逃がすために穂先に密集するようにガイドが取り付けれれています。各ガイドの大きさは小さく、個数は10個以上取り付けられている製品が少なくありません。これは大物が掛かり竿が極限まで曲がった際にラインと竿の一部が干渉してしまうのを防ぐためでもあります。
ガイドの素材も考慮されており、トップガイドのみSiCリングが多いルアーロッドにくらべAll SiCリングのロッドがほとんどです。

ルアーロッドで垂直方向からの強い力の引きにロッドの性能を発揮するだけのガイドの設計ができているのか?
という点は少々懸念点ではあります。対象魚が今回はアジなのでそこまで神経質にならなくてもいいようにも思います

上記は数千円で売られているロッドは除きます。

オモリのオーバーウェイトでの使用は自己責任でお願いします。

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この記事を書いた人

大阪府門真市に生まれ、高校卒業まで京都府福知山市で育ち、大学は工学部電子工学科を卒業。半導体設計会社に勤務ののちインフラエンジニアとして監視基盤の運用設計業務に就く。現在は都内の施設に勤務。横浜在住。人の役に立てることができればいいなと日々思っています。

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